ハイデガーの『存在と時間』を、難しい言葉だけを別の難しい言葉へ置き換えるのではなく、議論の目的・前提・推論・結論を追いながら読むプロジェクトです。
全 43 Step。 うち Step 00〜10 が無料、 Step 11〜42 が有料本編です。
無料で読める導入Step 00〜10
序論から第一篇の入口(§1〜§14)まで。上から順に読むと、前の Step で残した問いを次の Step が引き取る形になっています。
- Step 00無料そもそも『存在と時間』は何をしようとしている本なのか難解とされるマルティン・ハイデガーの『存在と時間』(1927年)。私たちはなぜ「ある(存在)」を問い、なぜ「人間」を分析し、なぜ「時間」にたどり着くのか。その壮大な論理プロセス全体の『地図』を平易に解き明かします。
- Step 01無料「ある」という当たり前を、なぜもう一度問うのか「存在とは何か」は古代ギリシャで真剣に問われた中心問題でした。ところがその後、この問いは「最も普遍的」「定義できない」「自明である」という三つの理由で、あえて問う必要のないものとされていきます。『存在と時間』§1 で、ハイデガーはこの三つを一つずつ検討します。
- Step 02無料「問う」とはどういうことか——問いを成り立たせる三つの要素「存在とは何か」を問い直す必要がある。では「問い直す」とは具体的に何をすることでしょうか。『存在と時間』§2 は、問いの中身ではなく問いの形を分解し、そこから「どの存在者に問いかければよいか」という次の課題を取り出します。
- Step 03無料なぜ「存在」の問いが科学の土台に関わるのか物理学も生物学も歴史学も、それぞれ自分の対象領域を決めたところから始まります。では、その領域が何であるかは、どこで決まっているのでしょうか。『存在と時間』§3 は、存在への問いが個別の学問そのものではなく、その手前にある存在論の土台に関わることを論じます。
- Step 04無料なぜ最初に現存在(Dasein)を調べるのか無数の存在者のうち、なぜ「私たち自身」から調べ始めるのか。『存在と時間』§4 は、人間が偉いからではなく、この存在者のあり方 → そこから出てくること → ほかのすべての探究にとっての意味、という三段の積み上げとして、その優先権を導きます。
- Step 05無料存在をどう調べるのか——現存在・伝統・現象学調べる先は現存在に決まった。では実際にどう進めるのか。『存在と時間』§5-8 は、どこから始めるか(§5)、受け取った枠組みをどう扱うか(§6)、どういう方法で進めるか(§7)、それを本全体にどう配置するか(§8)を順に定めます。
- Step 06無料「何であるか」ではなく「いかに存在するか」——各自性と実存机や石は「何でできているか」で説明できます。しかし私たち自身は、これからどうあるかに関わりながら、いま存在しています。『存在と時間』§9 が最初に言うのは二つのこと。「本質」は実存のうちにあること。そして存在は、そのつど私のものであること(各自性)。
- Step 07無料人間を調べる学問が、答えないままにしている問い生物学・心理学・人類学は人間について膨大なことを明らかにしてきました。『存在と時間』§10-11 が問題にするのは、その成果ではありません。扱っている当の存在者が「どういう仕方で存在しているのか」という問いが、答えられないまま残されている——その一点です。
- Step 08無料コップの中の水と、世界の中の私は、同じ「中」ではない「人間は世界の中にいる」——あまりに当たり前の言い方です。『存在と時間』§12 は、この「中」を二つに分けます。水がコップの中にあるときの「中」と、私たちが世界の中にいるときの「中」は、まったく別の事柄だからです。
- Step 09無料認識する前に、私たちはすでに世界にいる主観がここにいて、客観があちらにある。認識はその隔たりを橋渡しする——この絵は、いまも私たちの考え方の深いところに残っています。『存在と時間』§13 は、この絵そのものが、どこで作られてしまうのかを示します。
- Step 10無料「世界」を問うとは、何を問うことなのか世界のなかにあるものをいくら数え上げても、世界そのものには届きません。『存在と時間』§14 は、世界を描いて見せる節ではなく、世界をどう問うのかを決める節です。ここで第三章が始まります。
有料本編Step 11〜42
§15 以降。Step 10 が「世界性とは何を問う問題なのか」を立てたところから、その問いを実際に追っていきます。
私たちはまず、ものに「道具」として出会う
いちばん身近な周囲で、私たちが実際に出会っているものは、どういうあり方をしているのか。『存在と時間』§15 は、ものを眺める位置ではなく、使っている位置から、その問いに入ります。
いつもの作業がうまく進まないとき、なぜ「世界」が見えてくるのか
うまく使えているあいだ、道具どうしのつながりは目に入りません。『存在と時間』§16 は、そのつながりが「壊れる・無い・邪魔になる」という支障をきっかけに表へ出てくる場面を調べます。
「しるし」を調べると、道具どうしのつながりが見えてくる
前の Step で名前だけが出た「差し向け」とは何なのか。『存在と時間』§17 は、標識や合図という特別な道具を手がかりに、その構造を取り出します。
道具どうしの「何のために」をたどると、なぜ「世界」に行き着くのか
デカルトは、なぜ物体の本質を「広がり」に求めたのか
続きStep 16〜42
残り 27 Step は準備中です。公開でき次第、この一覧へ追加されます。